フットサルにはパワープレーと言われる攻撃に特化した戦術があります。
それはゴレイロを前線にあげることで、フィールドプレイヤーの人数を5対4の数的優位な状態にして戦う戦術です。
しかし、当然のことながらこのパワープレーを行なっている時に、ボールを奪われるとがら空きのゴールに簡単にシュート打たれることになってしまいます。
それでもフットサルにおいて、劣勢の状態や負けが見えそうなところから逆転するための一か八かの方法としてパワープレーは非常に有効的なものであり、戦術として用いるチームも多く存在しています。
そんなパワープレーを仕掛けられた時にどのようにして守るのが最も効果的なのかを考えていきます。
パワープレーとは
フットサルにおけるパワープレーとは、ゴレイロを前線にあげる戦術と言いましたが、細く解説するとゴレイロをフィールドプレイヤーと交代させます。
ゴレイロのユニフォームを着たフィールドプレーヤーが、本来のゴレイロと入れ替わりピッチに入ることで完全にフィールドプレイヤーを5人にしてしまいます。
そして、そのゴレイロ役の選手が通常は前線のコーナーに近い位置にポジションを取ります。
これにより、ゴレイロが制約を受けるバックパスのルールを回避することができます。
その状態でフィールドプレーヤーがハーフコートの四隅のポジションやピヴォのような位置に入り 相手より数的優位な状況を作り出すわけです。
後はボールをじっくり回して隙を作ってシュートを打つ、それがパワープレーと言われる戦術です。
パワープレー時の守り方
このようなパワープレーを仕掛けられた時にどうやって守るのか、それを考えていく必要があります。
パワープレーを仕掛けられる場合には、数的不利な状態で守備をしなければいけません。
人数で言うならば、4人で5人のフィールドプレーヤーを見なければいけないのです。
その時に注意すべきことがいくつかあり、1人が闇雲にボールを奪いに行っても、数的不利ですから大抵はうまくかわされます。
そして、かわされたところからさらに大きなほころびができてしまう可能性が高いのです。
パワープレーをされた時の守備のやり方をチームとして理解しておかなければ、チームが混乱し守り方がバラバラになることで相手にフリーの選手が生まれ簡単にシュートを打たれることや得点を奪われることにつながってしまうのです。
①ボールを取りにいかない
フットサルにおいて相手がパワープレーを仕掛けてきた時の守り方としては、むやみにボールを取りに行かないことです。
ボールを奪い取りに行く戦術があったり、積極的にボールに寄せていく方法ももちろんあります。
しかし、パワープレーを仕掛けられた時のセオリーとしては、数的不利なのですから無理にボールに寄せに行くとパスコースが空いたり、シュートコースが空いたりします。
このような状況を作らないことが、第1のディフェンスのやり方になります。
まずはシュートコースに体を入れ、相手がどういった動きに出るのか1、2メートルの距離感を保ちながら様子を見ることが重要です。
迂闊に飛び込んで、かわされたりパスを出されたりして自分のポジションに隙を作らないようにすることが何よりも肝心になるのです。
②シュートコースを塞ぐ
パワープレーを仕掛けられた時の守り方で2つ目の大事なポイントとしては、相手との間合いを考えながらシュートコースを塞ぐことです。
相手は数的有利な状態でシュートのタイミングを狙っています。
守る方は人数が少ないので必ずパスを出されてからポジションをとることになってしまいます。
しかし、そこで慌てるのではなく、まず一番大切なことはボールが出た瞬間に相手と適度な距離を保ちながらシュートコースに体を入れることです。
それにより相手チームも無理なシュートを打つことは難しくなります。
ボールがディフェンスにあたり相手ボールになってしまえば、すぐにがら空きのゴールにシュートを打たれてしまうためです。
ですからパワープレーの守り方として大切なこととして、シュートコースを常に意識してじっくりと我慢強く守ることが求められます。
無理をしないことが鉄則
守り方として一番大切になってくるのは、無理をしないことに尽きます。
ディフェンスは、最終的にはゴールを割らせなければ勝ちというイメージでじっくりと根気よく守備網を崩さないようにすることが大切です。
それにより相手が急いでシュートを打ってゴールから外れたり、単調なシュートであればキーパーの正面に飛ぶように仕向けていけば、ゴールを取られることもありません。
またシュートが外れ、ゴールクリアランスになれば素早い攻守の交代を行うことで、相手ゴールに簡単に迫ることができます。
得点を奪うことで、相手に多くのプレッシャーをかけることができるようにもなります。
パワープレーは仕掛けている方にもリスクやプレッシャーがありますから、守り方としてはまず最初に慌てずじっくりと守り続けることが求められます。